相手への気づかいを考えて

年末になるとたまに届く喪中はがきは、驚きや悲しみを呼び覚まします。

 

親戚の場合は、例えば病気の場合はその具体を聞いていたりで、ある程度の覚悟を持ってハガキを受け取ることもできます。
親しい友人からのハガキは突然のことが多く、その人の悲しみに思いを馳せることになります。

 

私の場合、長く闘病していた父を亡くし、喪中ハガキを作ることになりました。
定型のデザインや、名前を当てはめるだけのテキストなど、ネットで探せばいくらでも出てきますが、
それに落とし込むには私と家族の失意は大きいものでした。

 

しかし、私たちの悲しみをたくさんの人に知ってもらいたい気持ちと同時に、
それだけの心の負担を与えることはできない、という気持ちの両方がありました。

 

モノクロのデザインがほとんどですが、定型のデザインに少しだけ手をくわえて、薄くブルーを入れました。
病状などの報告をした方がいい身近な相手と、さりげなく報告だけしたい方がいたので、
2種類のテキストを考えて、2種類のハガキを作りました。

 

ハガキの制作は受け取る相手の気持ちを考えることから始まりました。